申し訳なさそうに軋みを奏でる階段の音、
あめ色に焼けた建具の表情、
迷子になりそうな複雑な廊下。
江戸末期からこの地にあり、
少しずつ手を加えて来た木造建築には、
どこか懐かしいあたたかな空気が流れます。
江戸末期に創業し、
肥後細川藩の御用宿としての歴史を持つ、
黒川温泉で一番の老舗宿。
当館はその当時の名称「御客屋」を今もそのまま使用しております。
古くとも大切なものは残し、良いと思ったものは取り入れる。
その繰り返しの日々が、もう少しで300年となります。
当館の歴史を支えてきたのは、当地、阿蘇の豊かな大地。
そして、幾多のお客様です。
2016年4月の大地震にも、ほぼ無傷で耐えた当館ですが、
改めて旅館というものが、この地の総力にて、ここにあることを感じました。
日々、土を耕し野菜を届けてくださる農家の皆様、
広大な牧地を維持して育てられる あか牛、黒豚、
ジャージー牛乳を使用してつくられるお土産、
建物を支える小国杉の柱は、幾世代も前の先人が植え育ててくれたもの。
そして、たくさんの作り手たち。
今こそ、この地の力を届けたい。
地の力を、再び。
「そのためにできることを」と、
御客屋のお取り寄せをはじめました。
また、ご贔屓のお客様からリクエストの多い、
当館自慢のオリジナル商品もこれからラインナップに加えていく予定です。
御客屋のお取り寄せをどうぞよろしくお願いいたします。